月と陽 月の気持ち

月と陽の10年目の別れに至るまで 

(過去)思えばあの頃から・・・


【過去のお話】



今から23年前
お互いが20代のころ


遠く離れた街で暮らす陽は
同僚の方と出張で私の街へ来ていた


偶然、お店の場所を聞かれて
その後、信号待ちでも一緒になって


私から声を掛けた
そんなことは本当に珍しく
一緒にいた友達もびっくりしていた


『出張ですか?』



そこから、付き合うまでに
そんな時間はかからなかった


すぐの週末に
私に会いに来てくれた




私の人生で
これ以上の幸せなことがないって
記憶が二つあって



一つは娘が生まれた時



もう一つが 
陽と付き合っていた 3か月だった




とにかく私のことを可愛い、可愛いと言い


遠距離恋愛だったけど
月に1度 週末に彼のところへ行った


空港まで迎えに来た陽は
 『わ~月だぁ♡月が来た~』と喜んでくれ


週末一緒に過ごす間も
ずっと愛されてるってシャワーを浴びてた感じ


幸せで幸せで
運命の人と出逢えたんだと


本当に嬉しくて嬉しくて仕方なかった




そんな時
陽は仕事で疲れて帰ってきて


電話をくれた


疲れた声をしていて
いつもの陽ではないように感じた



これがお互いが独身同士の時の
お別れのきっかけに繋がる