月と陽 月の気持ち

月と陽の10年目の別れに至るまで 

今もしこりになっているもの

もう今から数年前に
娘からもらった感染症で
仕事を2週間、休むことになった時


教育機関の事務で働いた私は
転職したばかりで有給もなく


月の半分しかお給料が入ってこなかった時


シングルマザーの私は不安で不安で
陽に泣きついた


その時に陽が言った一言



何もしてあげられない



既婚者である陽はお小遣い制
月にいくら貰っているのか知らない


だけど、少なくもないはず・・・



私が男なら
その一言は絶対に言わない


『本当に困ったなら言ってね』


そう言うと思う



いや・・・


『足りないと思うけど、今すぐに振込むから 振込先、教えて』


自分に出せる目いっぱいを、振込んだと思う



私なら・・・そうしてたと思う




本当に振込んで欲しいと思っていたわけじゃない


私のことを、本気で心配してくれてるのかを
確かめたかったわけでもない



不安な気持ちを受け止めて欲しかっただけ
ただそれだけだった



その一言しか言えない陽の心情
そう言うしか出来ない陽のことを
一生懸命に理解しようとした



だけど、この時の言葉が
今も私の中にしこりとなって



陽に甘えることが出来なくなった




私は自分で立つことに必死になるようになった


ここから価値観の違いが
さらに大きくなっていくことになるとは


この時には分からなかった